1.実施目的

本事業では、コロニア・オキナワ入植60周年記念への布石として、戦後に故郷沖縄から雄飛し、ボリビアに渡った移民の歴史と現在の状況、ボリビア音楽や文化を紹介し、併せて、沖縄本部を核として、アメリカ・ハワイ・ブラジル・ボリビア・ペルー・アルゼンチン・イギリスに支部を置く「世界若者ウチナーンチュ連合会(WYUA)」と協働したワークショップを行い、特に若者を巻き込んだ人材育成を図りながら、「ウチナーンチュネットワーク」の新たな「つながり」を創出する活動展開を打ち出す。

こうした活動を通じて、若者をはじめとする市民が、沖縄の世界観の広がりを感じ、国際理解・国際流を深めながら、新たな「つながり」を産み出すことで、次世代の「ウチナーンチュネットワーク」の「つなぎ手」となる人材が育成されることを本事業の目的とした。

2.実施体制

実行委員会:世界若者ウチナーンチュ連合会(WYUA)、ICHARIVAMOS(ボリビア関係者有志)、特定非営利活動法人レキオウィングス

3.実施日時・場所
2013年8月4日(日)10時~16時・イオン南風原店 1階イベント広場

4.具体的な活動内容

(1)次世代ウチナーンチュネットワーク・ワークショップ
ボリビアの移民を紹介する「もう一つのオキナワ」の上映後、ボリビアからの県人子弟留学生2名(屋良朝仁さん、屋良明菜さん)が登壇し、WYUA事務局長比嘉千穂さん、同副会長の津嘉山エリカさん(コロニア・オキナワ出身)と、コロニア・オキナワの歴史と暮らしの様子、ボリビアで根付いている三線やエイサーなどの沖縄文化について紹介した。
またボリビア滞在中の玉元三奈美会長が、インターネット電話を通して現地の「琉球國祭り太鼓ボリビア支部」の様子をリポートし、安里直也支部長が「もと自分達の年代を巻き込んで伝統文化を守りたい」という抱負を語った。
2世、3世の若者達が、遠く離れたボリビアで「沖縄の伝統文化を守りたい」という想いを抱いて活動している様子が伝わったことで、沖縄の若い世代にも「ボリビアと沖縄のつながり」、「ウチナーンチュのアイデンティティーの継承」について、深く考えさせられる機会となった。
屋良朝仁さんは、「ボリビアを好きになってくれた人がこんなに沢山いると思うと感動します。」と語り、安里直也さんは「ボリビアからすると(ボリビアを好きになってくれた人達は)心強い存在だと思った。自分たちも頑張っていかないといけない。」と語った。

(2)「ボリビアからの風」
・ボリビア多民族国及びコロニア・オキナワ紹介パネル展
ボリビア自然、動物、食べ物などの紹介の他、コロニア・オキナワの様子、コロニア・オキナワにある日本語学校とそこで学ぶ子ども達の様子を紹介した。また、実際にコロニア・オキナワの学校で教えた経験のある教員や、ボリビアで青年海外協力隊として活動してきたメンバーが民族衣装を着用してパネル展の説明をするなど、来場者に対して生きた情報を具体的に伝え、ボリビアをより身近に感じてもらう機会となった。
・ボリビア伝統音楽フォルクローレライブ
沖縄で活動する南米フォルクローレバンド
「ロス・アフィシオナードス」によるライブ演奏が行われた。哀愁を帯びたケーナの音色や、沖縄ではなかなか見る機会の無い楽器の紹介なども交え、会場を沸かせた。
・ボリビア伝統舞踊公演
東京で活動するボリビア舞踊のグループ「コラソン・ボリビアーノ」により、トバス・カポラレス・チャカレラ・クエカなどの伝統舞踊が披露された。ステージ終盤では、来場者も交えて「ティンク」を踊り大いに会場を盛り上げた。
・県費留学生による三線演奏
平成25年度県費留学生5名と琉球大学留学生三線サークルの6名が、この日の為に練習してきた「安里屋ユンタ」「てぃんさぐの花」を披露。ボリビア生まれのフォルクローレの曲として有名な「コンドルは飛んでいく」を三線音楽にアレンジして、ボリビアと沖縄のコラボレーションを聴かせてくれた。
・スペイン語で遊ぼう
スペイン語サークル「アミスタッド」のメンバーが、スペイン語の単語を使ったゲームなどで、子ども達にスペイン語に親しんでもらうプログラムを実施した。

(3)遠いけれどつながりのあるボリビア
・南米特産スイーツの販売
ペルー料理店「ティティカカ」に協力してもらい、エンパナーダやアルファフォーレなどの南米スイーツを販売。売上げの一部はボリビアを支援するNPO団体へ寄付された。
・南米特産品の販売
沖縄ボリヴィア協会の皆さんにより、ボリビアの色鮮やかな織物を使った小物の販売、ボリビア特産のプロポリスの販売などを行った。

5.事業成果・所感など

一般参加者500名以上、ボランティアスタッフ51名が参加し、イベントを盛り上げた。
参加者からは「私達の地域(名護)でも、こんなイベントをやって欲しい」、「ボリビアと沖縄の繋がりを知り、ボリビアを身近に感じることが出来た」、「親戚もいるので、ぜひボリビアに行ってみたい」などの声が寄せられた。
南米に沖縄から多くの移民が渡ったことはよく知られているが、ボリビアというとブラジルやペルー・アルゼンチンに比べると人数も少なく、沖縄との繋がりが薄いのではないかというイメージを持っていたが、イベントに訪れた方々の多くが「ボリビアに親戚がいる」、「20年前までボリビアに住んでいた」、「ボリビアで教員をしていた経験がある」など、ボリビアとの繋がりを持っている人の多さに驚かされた。
イベントに際し、実行委員会を構成する3団体の他、9団体に後援をいただき、関係者の皆様に実際にイベントにも足を運んでいただいたが、これらの沖縄に潜在しているボリビア関係者と国際交流に繫がる団体の関係者との新たな「つながり」ができたことは一つの大きな成果といえるだろう。
またイベントの企画を、ICHARIVAMOS(イチャリバモス)(青年海外協力隊ボリビアOB、コロニア・オキナワ日ボ学校ボランティア経験者などが参加)、世界若者ウチナーンチュ連合会、県費留学生などの若い世代に担ってもらった。イベント企画を通じて、海外での活動経験を持つエネルギーのある若い世代の間に新たな「つながり」が生まれ、来年のコロニア・オキナワ入植60周年に向け、WYUAを核とし、JICAボランティアOBや派遣教師OBなどと共同した新たな交流事業の創出など具体的なアイデアが発案されている。
「沖縄と世界を繋ぎたい」という熱い想いのある若い世代が、このようなイベントを企画し、多くの関係者から生の声を聞き、彼等とのネットワークが出来たことは、確実に若い世代の成長を促し、若者が繋ぐ次世代の「ウチナーンチュネットワーク」の構築に寄与したことも大きな成果といえるだろう。

6.おわりに

本事業の実施に際しまして、ご支援、ご協力をいただいた関係機関・関係者の皆様に深く御礼申し上げます。本事業のテーマでもあった「みんなでつながろう」という想いの実現のためには、皆様との繋がりなくしては、決して成すことのできなかったものであります。皆様のご協力と応援のおかげで、新たなボリビア関係者との「つながり」が生むことができました。
当法人は青年海外協力隊経験者の能力・経験を活かし、沖縄と世界の国々を身近に感じてもらえるような国際交流・地域活性化に取り組んでいく所存でありますので、今後ともご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げ、結びと致します。
イッペーニフェーデービル。 MUCHOS GRACIAS!

FIESTA OKINAWA報告書