ビクトリアス市のあるネグロス島は砂糖産業に過度に依存し1980年代の砂糖危機では多くの人が飢餓の危機に瀕しました。2013年に南城市とレキオウイングスがJICA海外プログラムを活用しビクトリアス市を訪問、砂糖産業から有機農産物への転換や地域資源を最大限活用し人を呼び込む「ちゃーGANJU CITY構想」等の南城市の経験が活用できるとし、2014年10月にこのプロジェクトを開始しました。プロジェクト終了後にも両市の市民/地域交流が続くよう計画しています。
2014年度のプロジェクト報告(2014年10月2日~2015年3月31日)
南城市とレキオウィングスは、フィリピン共和国ネグロス島ビクトリアス市へ10月にベースライン調査団、12月に農業専門家を派遣し、同市の政策、観光、農業の現状調査3を行い、今後の政策支援と農業分野の協力方針について合意しました。また、2月に政策課長、農業課長、観光課長、農家代表3名を受け入れ本邦研修を実施し、南城市の農業、観光、地域ブランドを学ぶと共に、ビクトリアス市AETアクションプランが作成されました。研修中に開催した南城市×フィリピン・ビクトリアス市ビジネスセミナーでは、100名以上の参加があり、今後のビジネス展開の可能性についての意見が飛び交い大盛況でした。調査団・本邦研修を経て、両市の行政や農家等多くの関係者が一丸となりチームワークがさらに強化されました。
ビクトリアス市農家訪問 農業技術確認の様子
農産物加工を学ぶ農家代表 アクションプラン作成の様子
南城市×ビクトリアス市ビジネスセミナー FMなんじょうラジオ出演
2015年度のプロジェクト報告(2015年4月1日~2016年3月25日)
2015年度は、年2回(5月・2月)にフィリピン・ネグロス島ビクトリアス市への専門家派遣と9月に本邦研修を実施しました。専門家派遣では、コンポストの作り方を指導し、栽培実験で生育状況に成果が現れ始めています。本邦研修では、ビクトリアス市から12名の研修員を招き、南城市の有機農業技術や沖縄県のアグリエコツーリズム事例を学び、帰国後、ビクトリアス市の農業技術の普及と観光開発に努めています。また、南城市キャラクター「なんじぃ」を活用したまちづくりを参考に、ビクトリアス市でも、マスコットが誕生するなど様々な場面で南城市モデルが活用されています。
5月専門家派遣でのうこん栽培確認
5月専門家派遣でのコンポスト実習
9月本邦研修で農産物加工を学ぶ研修員
9月本邦研修でぼかし作りを体験
2016年度のプロジェクト報告(2015年4月1日~2016年3月25日)
2016年度は、年3回(5月・10月・2月)のフィリピン・ネグロス島ヴィクトリアス市への専門家派遣と10月に本邦研修を実施しました。5月・10月の専門家派遣では有機野菜販売に特化したオーガニックマーケット開店にむけて有機野菜の供給量安定や計画的生産等のワークショップ、運営方法などの指導を行い、観光資源となるエコパークにおいてはメディア向けにモデルツアー等を実施しました。10月の本邦研修では、全10名の研修員が南城市まつりに参加しました。南城市のがんじゅう駅にて行われたフィリピンヴィクトリアスフェスでは研修員によるダンスが振舞われました。結果、両市が事業連携していることを南城市民含め多くの人に広報する機会となりました。2月の専門家派遣では、本プロジェクトの終了時評価内容を協議・合意し署名交換を行いました。また、南城市の古謝市長とヴィクトリアス市のパランカ市長によってパートナーシップが交わされ、両市に更なる信頼関係が築かれました。
ワークショップの様子 メディアツアーの様子
ヴィクトリアスフェスに参加した研修員 パートナーシップ署名交換