実施期間:2022年5月~(3年間)

背景・目的:

 クラビ市はバンコクから南に783㎞、アンダマン海に面し、クラビ県の経済、行政、サービスを担う県都として位置付けられています。国際空港があり観光が主要産業ですが、市外のビーチリゾートに大きく依存しているため、結果として市内は素通りとなり、市内の観光開発が課題となっています。クラビ市では、アンダマン文化等の地域資源を活用した「アートと文化・歴史・エコツーリズムの観光都市」実現に向けた観光や特産品開発に高いニーズがあり、また、タイ地方自治体が5年ごとに作成する地方戦略開発計画では、環境、観光業を軸とした経済のバランスを取ることを目標としています。一方、名護市は2020年に市制50周年を迎え、求められる名護市の役割として『新しい時代の小さな世界都市~「世界」を結び、新しい時代のニーズに応える~』を掲げています。農業、商工業、観光、文化、教育など分野・組織を超えて交流・連携し、各産業を振興することで地域の活性化を図っていることに名護市の特長がある。また、同市はこれまでにJICA技術協力プロジェクト専門家派遣や研修員の受け入れなど、国際協力や人材育成に取り組んできた経験があります。これらの名護市の経験を活かしながら、クラビ市の歴史・文化・アートを対象としたブランディングと商品開発の実践を行い、クラビ市としてのブランディング、商品づくり、体制づくり、実際のトライアルを通じた経験を身につけることで継続的な商品開発の体制が整備されることを目標にしています。

活動内容:

・2023年5月:プロジェクト開始
・2023年9月:名護市から渡具知市長をはじめとする5名、レキオウィングスから3名の計8名がクラビ市を訪問し、プロジェクトを開始するにあたって必要な、➀クラビ市の現状を把握するための情報の収集、➁クラビ市をはじめとするプロジェクト関係機関の皆様との顔合わせ、協議・調整を目的としたベースライン調査を実施しました。
・2023年2月:クラビ市チャンナロン副市長をはじめとするクラビ市から10名の研修員が来沖し、①名護市の政策、観光、特産品に関する活動を学ぶこと、➁名護市からの学びを踏まえ、帰国後のプロジェクト活動の指針となるアクションプランを策定することを目的に本邦研修を行いました。

次年度へ向けた計画:

 2023年2月の本邦研修では、今後の活動の方向性を定めるための話し合いを行いました。その結果、上記の背景・目的に記載したプロジェクトの目標が定まりました。今後、これを達成するための具体的な活動についてもクラビ市側と協議しながら進めていきます。5月と10月にはクラビ市への派遣と12月には本邦研修を予定しています。