実施期間:2022年8月~2023年3月

背景・目的:モルディブにおいて主にリゾート島を目的地とした観光からもたらされる収入は国の成長をけん引しています。しかしながら、①地元の製品を販売する機会が限られていること、また、②リゾートで働く外国人の割合が多く、モルディブ人の割合が少ないこと等が脆弱性として挙げられています。現在、モルディブ政府においては、コロナ禍からのレジリエントな観光産業の復興を目指しており、その主なターゲットは、リゾート島ではなく、住民島としています。これを契機に、ホームステイや文化的観光等、様々な形態の観光を住民島で実現するために取り組んでいく方針です。こうした方針を汲み、同国外務省は、地方自治体である住民島における観光モデルの推進地として、ラシドゥ島を本プロジェクトの対象地域として選定、公式に文書で通知しました。
ラシドゥ島は人口1204人で、首都マーレから西に58kmに位置する島であり、首都や国際空港に近いという比較優位点を有しており、年間推計6000人ほどの観光客が来島しています。ラシドゥ島における観光の推進にあたっては、いかに島に住む人々の生活と伝統を守りながら、住民の生活向上に寄与する観光を進めていくかが留意点であり、これからの課題です。
読谷村もラシドゥ島も漁業と観光が盛んでお互いに共通点が多く、読谷村で地産地消に着目し、地域の人と資源を活かして、足元から取り組んできた経験は、まさに地元の観光を具現化しているといえます。以上の背景から、本事業では、ラシドゥ島において、島に住む人々の生活を守りながら、地産地消をコンセプトとした観光を推進する体制が創出されることを目的としたプロジェクトを提案するための事前調査を自治体国際化協会の支援のもとに実施しました。

活動内容:プロジェクト関係者との協議・各種調整、案件概要説明、各種会議を開催しました。また、アリフアリフ環礁ラシドゥ島の観光、観光資源、産業、特産品等に関する現状、政策と行政の実施体制等の現状把握に関する現地調査を実施しました。同調査結果を踏まえ、読谷村はレキオウィングスとともにJICA草の根技術協力事業、令和4年度の公募に事業を提案しました。